鎌倉市の浸水履歴を調べようとすると、過去の記録と今の想定区域が混ざって、どこを見ればいいのか分かりにくいことがあります。海や川、低地や道路のくぼみなど、地域ごとに気になる点も変わるので、一つの資料だけで判断しにくいテーマです。
地域情報メディア『鎌倉ごこち』のライター、みつひろです。ぼく自身も住まいを考えるときに何度か調べて、見る順番を少し変えるだけで分かることが増えた経験があります。
この記事では、鎌倉市で浸水履歴を調べるときに確認したいことを順番に整理します。ハザードマップと過去の記録の違いから、内水氾濫の見落とし、土地選びへの使い方まで触れていきます。
浸水履歴を調べるときに最初に気にすること
「浸水履歴」と「浸水想定区域」は別のものです。履歴は過去に実際に浸水した記録で、想定区域は大雨が降った場合に浸水が予測されるエリアです。
この二つが同じページに並んでいることも多く、最初に見たとき混乱しやすいです。まずここを分けて考えると、その後の確認がかなり楽になります。
ハザードマップと過去の記録はどう違うか
ハザードマップは「想定される最大規模の浸水」を地図にしたものです。実際に起きた浸水とは範囲や深さが異なることがあります。
一方、過去の浸水記録は「そのとき実際に起きたこと」の記録です。ハザードマップに色が付いていなくても、過去に浸水した場所が存在します。どちらか一方だけ見て判断するのは、少し情報が足りない状態です。
鎌倉市の浸水履歴の種類
鎌倉市が公開している浸水履歴は、市役所第3分庁舎2階で閲覧できます。インターネットや電話での確認はできないため、直接足を運ぶ必要があります。
- 神奈川県アボイドマップ
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昭和41年から63年の自然災害回避地図です。
- 平成16年台風22号
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平成16年10月9日に発生した台風による浸水記録です。
- 平成26年台風18号
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平成26年10月6日に発生した台風による浸水記録です。
現在公開されているのは上記の3件です。閲覧の受付状況や窓口の詳細は、事前に市の公式ページで確認してから向かうと安心です。
鎌倉市で整備されているハザードマップの種類
鎌倉市には、洪水・内水・高潮の3種類のハザードマップがあります。それぞれ確認できる内容が違います。
- 洪水ハザードマップ(令和5年3月改定)
- 内水ハザードマップ(令和7年3月作成)
- 高潮ハザードマップ(令和4年8月作成)
洪水は柏尾川・滑川・神戸川・境川などの河川が対象です。高潮は海岸線に近いエリア向けの資料になります。気になる場所に応じて、どのマップを重点的に見るかが変わってきます。
海に近い場所と低地で気になること
鎌倉市は海と山が近く、平地が少ない地形です。川沿い・海岸線・谷間の低地では、洪水と高潮のリスクが重なることがあります。
ぼくが鎌倉の地形を見ていて感じるのは、道路一本で標高がずいぶん変わる場所が多いということです。「川から離れている」と思っていても、低地に位置していれば内水の影響を受けやすいエリアもあります。

地形図と重ねて見ると、場所の感覚がかなり変わります
内水氾濫で見落としやすい場所の特徴
内水氾濫は、雨水が排水しきれずに道路や低地にあふれる現象です。河川が近くなくても起きることがあります。
見落としやすいのが、道路がくぼんでいる場所や地下に向かう出入り口の周辺です。内水ハザードマップは洪水マップとは別に確認する必要があります。鎌倉市では令和7年3月に新しい内水ハザードマップが作成されているので、最新版を一度見ておくと安心です。
土地や住まい選びで浸水情報を確認するタイミング
まず地形の高低差を地図で確認して、次にハザードマップを開く順番にしています。先に場所の感覚をつかんでから数値を見ると、色の意味が頭に入りやすいと感じています。
地図アプリや標高マップで、対象エリアの高低差をおおまかに把握します。
鎌倉市の各ハザードマップを開き、エリアに合ったマップを確認します。
鎌倉市役所第3分庁舎2階で、過去の浸水記録を閲覧できます。
この順番で見ると、「想定」と「実績」の両方が見えてきます。どちらかだけで判断するより、少し手間はかかってしまいますが、後で「知らなかった」となりにくい確認の仕方です。
不動産情報と合わせて見ておきたいこと
不動産の売買では、水害リスクに関する情報の説明義務があります。ハザードマップの内容を重要事項説明の場で確認できる場合もあります。
ただし、説明の内容は物件によって異なります。自分でも事前にハザードマップと浸水履歴を確認しておくと、説明を聞くときに比べる材料が増えます。気になる点があれば、その場で質問できる状態にしておく方が、後で後悔しないと感じています。
大雨の前後に見直したい情報の場所
台風や大雨の時期の前に、鎌倉市防災情報マップ(かまくらわが街マップ)を一度開いておくと、避難場所の位置と浸水想定区域を一緒に確認できます。
大雨の後も、市の公式ページや防災情報を見直す習慣があると、次の判断に使える情報が少しずつ増えていきます。情報は「一度見たら終わり」ではなく、更新されていることがあります。
よくある見落としと対策の考え方
浸水履歴を調べるときに起きやすいのは、「ハザードマップに色が付いていないから安全」と判断してしまうことです。色が付いていない場所でも、過去に浸水した記録が残っているケースがあります。
もう一つは、洪水マップだけ見て内水マップを見ていないパターンです。鎌倉市は2種類が別々に整備されているので、どちらも開いてみることで見方が変わります。
さいごに
水害について気になったら、鎌倉市の公式サイトで洪水・内水・高潮の3種類のハザードマップを開いてみてください。気になるエリアを一つだけ決めて、3種類を見比べるだけでも、場所ごとの違いが見えてきます。
ハザードマップを見比べながら「ここが一致していて、ここは想定外だった」という場所があることに気づきました。記録は地図では見えない部分を補ってくれるものだと感じています。
資料を一通り見た後は、疑問点を一枚のメモに書き出して市の窓口に持っていくと、担当の方にも伝えやすくなります。防災の情報は見るだけで終わらせず、次の行動につながる使い方ができたらうれしいです。












